1.来年の干支「兎年」はどんな年になるか?
2023年は、干支で言うと「癸卯」年です。
干支とは、干(十干)が10種、支(十二支)が12種で、両方を組み合わせると60年で一巡する年の呼び名です。一般には十二支が使われ、癸卯年は「兎年」と呼ばれます。
前回の兎年は2011年で、国内では、未だ記憶に深く残る東日本大震災・原発事故が発生した年です。また海外においては、金正日総書記の死去・欧州危機・アラブの春など、国家レベルを超えた重大ニュースが続きました。
昨今、コロナ禍やウクライナ戦争の影響で不況が続き、先行きの見えない毎日が続いています。来年の兎年は、兎という動物の跳ねるイメージから、飛躍・成長というポジティブな未来であって欲しいと願うばかりです。特に経済面は私たちの暮らしに大きな影響を与えるため、少しでも上昇することが期待されます。
2.兎のちから(縁起物)
兎は、動物としての特性から世界各国で縁起物として親しまれてきました。
例えば兎のジャンプ力は、困難な壁を乗り越える「成長」や「発展」を想起させます。また、耳が長いことから、数多の情報を収集し、商売繁盛といった成功に繋げることができると言い伝えられています。更に、兎が子どもをたくさん産む性質は、子宝・安産祈願にご利益があると考えられています。
そして兎は、「因幡の白兎」という神話から、縁を結ぶ象徴としても有名です。
神話の中で兎は、心優しく誠実な「大国主命」と呼ばれる神様と、因幡の国に住む美しい「八上姫」の縁を取り持ったとされ、現在も鳥取県にある「白兎神社」で御祭神として祭られています。
3.「兎」の文字と「卯」の文字の違い
ウサギを表す漢字で最も使われるのが「兎」です。私達が普段目にできる飼育の兎や、
月の影模様で知られる兎もこの漢字があてがわれます。先述した通り、兎の存在は神話の世界とも馴染みが深く、古風ながらも神秘的な由来を併せ持つため、童謡の物語や人名としても幅広く受け入れられています。
これに対して「卯」は、干支や旧暦で用いられます。干支の「支」を表す12種の漢字はいずれも動物と結びついており、卯は4番目に位置します。十二支は中国から始まったものとされ、卯の由来は「草や木が生えて、地面を覆っていく様」を表していることから、ウサギと直接の関連はないとされています。
また、明治初頭まで日本で使われていた旧暦では、4月を「卯月」と呼んでいました。諸説ありますが、卯の花が咲く月だからともいわれています。
Comments