1. 円相とは?
図形の円を書として描いたものが円相です。
見た目ではただの円にしか見えませんが、捉え方は人によって様々で、「円相を考えることで集中力が自分の内面に向かう」という効果があります。
最近では、自閉症をはじめとする精神面の病気治療にも円相の活用が試みられており、現代人の疲れた心や不安を癒す研究もさかんに行われています。
また、ヨガや瞑想の教室でもよく見かけるデザインで、私たちの日常生活にも浸透している形です。
2.禅の世界での円相
禅とは、今ここにある自己の存在が、真実かどうかを探求することです。
自分の生き方を見つめ直したり、いろんなものに感謝したり、自らを律するという根本的な事柄が禅に繋がっていきます。
自己の内面に集中する円相とも関りが深く、禅の世界において円相は、物事の心理や悟りの象徴として扱われています。また禅寺を訪れると、円相をモチーフとした掛け軸を目にすることができます。
3.ゴールデンサークル、金の円相について
円相には、金の色彩で描かれたものも多数あります。
金・ゴールドは、歴史上一度も価値がなくなったことがありません。また科学的にも品質が劣化せず、身近な部分では、大会の優勝を表す色としても使われます。
まさに象徴を表す色としてふさわしい色彩で、円相というデザインを、より一層際立たせる役割を果たしています。
4.一円相、円相図について
数多ある円相形状の中でも、一筆で描かれた円を「一円相」、又は「円相図」と呼びます。
円という形状は物事の真実や性格を表すとされ、別の漢字で「円窓」と書き、「自分の心の窓をうつす」という意味が込められています。
綺麗な円を描くと、書き出しと終わりが結ばれ、どこから見ても繋がりのある形状になります。逆に言えば、その円の全てが始まりであり終わりとも言えます。この世界のすべて、宇宙全体を表現しているとも言えるでしょう。
5.その他 (外国での呼び名や存在)
先述した通り円相は、世の中のすべてが円のどこかから生まれ、その中で死んでゆくという連続した流れを持っています。
その起源となる一切皆空(この世に現存するものは実体がなく空であるという概念)はインドに由来しますが、この「空」を「円」のイメージで捉えたのが中国です。中国から始まったとされる禅仏教は円相を象徴として発展していきました。
円相の存在としては「完全無欠」や「悟り」として扱われるようになっています。
Commentaires