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金のシンボリズムとスピリチュアル的重要性



金の価値

金はいつの時代にも、またいかなる文化においても、その魅力で人々を虜にして来た。


金にはたくさんの魅力があるが、そのうちの一番大きなもののひとつに、「価値の普遍性」がある。株、債券、そして通貨は「ペーパー資産」と呼ばれ、発行する企業や国家の信用によって成り立っているので、「発行元の信用」というリスクが常に伴う。これらの「ペーパー資産」は、時によっては無価値になってしまう危険性がある。一方、「金」には発行元がない。従って「誰の負債でもない」ため、「信用リスク」がない。また世界中でその価値が認められているので、歴史上「金」が無価値になったことは一度もない。金の価値は正に「普遍的」なのである。


またもうひとつの金の大きな魅力に、「品質が劣化しない」という科学的事実が挙げられる。金は酸化して腐食することがない。またたとえ溶けたとしても、固まれば金であることに変わりはない。このようにして、数千年たっても「金」であり続けることができる。そのようにして金は「クオリティー的価値」という点においても「最高級」であることになる。それはオリンピックで一番優秀な選手に授与されるのが、「金メダル」であることにも表されている。


象徴としての「金」

こう考えて来ると、金の我々に対する魅力やアピールは、金が「本来持っている性質」自体から来ていることがわかる。そうであるから、「金の象徴(シンボリズム)とは何か」を考えた場合、上で見た「普遍性」や「最高級」のように、金の「性質」そのものがすなわちその「象徴(シンボル)」であると同時に、その「性質」が自然な結果としてもたらすものも「象徴」であると言える。従って、金は次の一連のものを象徴している。


ステイタス、永遠、貴重、輝き、光、才能、成功、豊かさ、繁栄、勝利、栄光


このリストにあるひとつひとつが、「金」の性質であり、それが自然にもたらす結果であり、また「象徴」である。これらの象徴は、その意味するものが互いに重なり合う部分も多々あるが、ここではその中でも特に「光」・「豊かさ」・「成功」に焦点を当てて、金の象徴としての意味の広さ、深さについて考察する。


光:

古くからヨーロッパでは、金は「太陽」と関わりのある物質とされ、太陽エネルギーを伝導するとされた。従って「太陽」のイメージが強く、「地中の太陽」と呼ばれている。たとえばキリスト教以前ローマで信仰された「ミスラ神」の「光輪」は、7つの放射線の光を持ち、まるで太陽そのものであるように見えるが、その「光輪」は正に「太陽の光」を具現したものなのである。メソポタミア文明の時代から、神々の図像には「光輪」が描かれていた。キリスト教のイエスや天使も、頭部に「光輪」を頂いている。畏怖されつつも人々に恩恵を与え続ける「太陽」、それと同じ絶対的なパワーを神が持つことを、金を使って表現したのが「光輪」なのである。そしてそこからまた、天上と地上の「王位」・「王権」・「王者」の象徴が生まれて来る。「聖書」の中でベツレヘムの星に導かれた東方の三賢者が、キリストが生まれた時「王と認める証」に「金」を捧げたことは、この象徴を代表している。


豊かさ:

上記の「太陽」と関連して、麦作の文化では、太陽の恵みであり毎日の糧のパンの原料となる「麦穂」の金色は、豊かな実り、つまり「豊穣」の象徴である。その表れとして、ギリシャの太陽神アポロン(男性)もローマの豊穣神ケレース(女性)も、黄金の髪を持つとされている。またゲルマン神話では、美と豊穣の女神フレイヤは黄金の擬人化、または黄金の力が女性の姿を取った存在とされている。フレイヤが行方不明になった夫を探して世界中を旅するうちに、流した赤い涙が地面に浸み込み、金になったのだと言われている。


このように「金」の表す「豊かさ」は、人間の生活における金銭的な豊かさに留まらず、精神的な豊かさ、更には農作物の収穫の豊かさへと発展し、そのパワーの及ぼす範囲の広さを物語っている。


成功:

「永遠」で「完全」な存在である「金」に魅せられ、紀元前300年頃エジプトのアレクサンドリアでは、他の金属を金に変えるようとする科学技術である「錬金術」が生まれ、様々な宗教や呪術を巻き込み、奥義を生み出した。12世紀以後、錬金術はヨーロッパに舞台を移し、錬金術師たちの間では「賢者の石」と呼ばれる卑金属を金に変える媒材の獲得に努力が向けられ、それを求めて旅に出たり、工房や実験室で発明が試みられた。結果的には「賢者の石」を作り出すことのできた人は誰もおらず、錬金術は科学としては誤りであった。しかしその過程で、現代化学の基礎となる知識や薬品・器具を多く生み出しており、「自然科学の始まり」になったとされている。


象徴と寓意で記録された錬金術の全容は明らかではなく、オカルト的要素が強いのも事実であるが、「ゴールド」の「ゴール(目標、目的地)」は錬金術師たちが生涯を費やした「努力と達成」を表しているという説がある。つまり「金」は「目標」を持ち、それに向けて「長い努力を続けた」後に手に入れることのできる「成功」を象徴している。「成功」は「結果」だけではなくその「過程」にもあり、その努力の中で自分自身が「豊か」になるのだというメッセージである。これは第2リサーチの報告書で紹介したアイルランドの伝説、「虹のふもとの金の壺」のメッセージともピッタリと重なっている。

このように、金の持つ価値はあまりにも大きいので、ひとつの「象徴」が派生して次の「象徴」を生み、それが更に広く深く続いて行く。それは金が物質的な面だけでなく、我々の精神的な面という点においても、その及ぼす重要性がどれほど大きいかを物語っている。


スピリチュアルとしての重要性

ここまで金の持つ物質的・精神的な価値を見てきたが、金の偉大なパワーはそれにとどまらない。金には「金色」という「色」を通して我々に与える、スピリチュアルなパワーもあるのである。


スピリチュアルの世界では、人体には「金の領域」とされている部分がある。それは臍から指2本分上で、更に指2本分奥に入った部分で、胡桃ぐらいの大きさであり、「インカーネショナルスター」と呼ばれている。そこにはその人が生まれて来た人生の目的、使命、資質、才能、本質が宿っているとされている。そしてそこは「風水」の「五行」(木・火・土・金・水)の中の、正に「金」が司る場所でもある。


このようにして、「金色」は「金」の色である上に、我々の体の最重要とも言える部分に属する色でもあるので、「金色」は金の持つ性質と同じ次のような重要性があるとされる。


特別なもの、高級、豪華、豊かさ、才能、成功、自信、意欲


そしてこれらのスピリチュアルでの「金」の意味を、「インカーネショナルスター」を携える「人」の生き方や性格に当てはめると、次のような人物像が浮かび上がって来る。


威厳がある、指導者、金銭的に豊かな人(リッチ)、心が豊かな人、人助けをする余裕がある、満足している、幸せを感じている


スピリチュアルの世界では、生き方や性格は色からも作られるとする。それを証明するかのように、スイスの心理学者マックス・リュッシャーによれば、好きな色にはその人の願望が現れるという。つまり「好きな色=なりたい自分」なのである。そうであるから、身に着ける色を選ぶことで、自分の深層心理に影響を与え、自分の性格や生き方を変えることが可能である。つまり「なりたい自分」になることができるのである。従って金のアクセサリーや、「金色」を使ったものを身に着けると、次のような心理的効果が期待できることになる。


気持ちが豊かになるので、エネルギーが増幅され、心身が癒される。

意欲的な気持ちになる。理想や夢へまっすぐ進むことができる。

安心感が高まり、ポジティブに生きることができるようになる。

成功への希望や確信が増大する、高い理想を掲げることができる。

人の上に立つ、指導者になることができる。

自分のお金を使って人を助けたり、知恵を人に与える師になる。

心の豊かな人として、まわりに夢を与え包み込む。


私達の身の回りにあふれている様々な色は、それぞれにパワーを持っている。色は私達の「心理」に働きかけ、私達の「感情作用」に大きな影響を与えているのである。それは私達が経験し記憶したことをイメージする何かと、それらに関連する色とを「結びつけて連想している」からである。従って上記の「金色が持つスピリチュアルな意味」を認識し、それを上手に使うことによって、我々の心理・感情に対して、「金」の特性に相当するような効果を与える事ができるのである。



考察

ここまで金の持つ物質的・精神的・スピリチュアル的な価値を見て来た。金のパワーはそれほどまでに大きく、実のところとどまることを知らないのである。



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